定期的に読んだ本と感想を書いていきます!(第百九十五弾)
📖Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章 (ルトガー・ブレグマン 箸)📖

タイトル | Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章 | |||
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著者 | ルトガー・ブレグマン (野中香方子 訳) | |||
発行日 | 2021年7月30日 | |||
発行所 | サンマーク出版 | |||
レビュー | (★5.0) |
オランダ出身の歴史家、ジャーナリストによる著作です。
「人間の本質は善である」との視点に立って、現在社会が性悪説で設計されている事と本質が善であることのギャップはどこから来るのか?を分析し結論づけられています。
非常に面白い本でした。
特に、自分が知らず知らずのうちに「見ず知らずの他人は悪である」と、メディアや様々な著作からそう思わされていたことが一番の衝撃でした。
確かに、人間は本来、困ったときは自然に助け合うとの本能を、様々な環境によって忘れていた(そう思わないようになっていた)かもしれません。
また、その他気になった箇所を私視点で引用します。
【Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章(本書)のポイント】
- 人間の道徳性は薄いベニヤ板のようなものであり、少々の衝撃で容易に破れると考えがちだが、実は逆で、「災難が降りかかったとき、つまり爆弾が落ちてきたり、船が沈みそうになったりしたときこそ、人は最高の自分になる」
- 私有財産を発明したことで、人間は自ら争いの種を作るようになった
・・・(ルソーの論文の一節)杭や溝で、ある土地に囲いをして「コレは俺のものだ」と言うことを思いつき、人々がそれを信じるほどおめでたい事に気づいた人こそ、文明社会の真の創始者だった。杭を引き抜き、あるいは溝を埋めながら、「こんなペテン師の言うことを聞くんじゃない。大地の恵みは万人のものであり、大地は誰のものでもない。それを忘れたら、あなたたちは破滅する」と同胞に向かって叫ぶ人がいたら、どれほど多くの人々による災難を避けることが出来ただろう。 - 「人間は生まれ時から利己的だ」との主張がある中、ベリャーエフは、人間は飼い慣らされた類人猿だと言っている。つまり、数万年の間、いい人ほど、多くの子どもを残した。人間の進化は、「フレンドリーな人ほど生き残りやすい」と言うルールに成り立っている。
それを証拠に、人間の顔と体はより柔和でより若々しく、より女性的になっている。 - キツネの賢さは人懐っこさに比例する
・・・賢いキツネが欲しいのなら、賢いキツネではなく、人懐っこいキツネを選ぶ。(人懐っこく、人当たりの良い人が賢くなっていく) - 基本的に私たちの祖先は不平等を嫌った。重要な決定は、全員が発言権を持つ長い審議を経て行われた。また、人は自慢する人間を拒絶する。それは、プライドが高いせいでいつか誰かに危害を加える可能性があるから。
- 支配者は争いを好む。理由は争うことで自分の力と権威が高まることを知っていて、その目的で争いを始めるから。
- 最初に貨幣が出来た理由は、それが生活を楽にすると考えたからではなく、税を課すための効率的な方法が必要とされたから。
- 人々は基本的には平和を好む。普通の人々を放っておいても何も起きない。
- 命令は不服従を導く。つまり権威者が横柄な態度を取れば取るほど、強い反発を招くので逆効果。一方で、「仕事に参加する(協力する)」との考えのもとには、被験者は従う。
多くの人々は、多大な苦しみを味わっても、どうにか善良でありたいと考えている。つまり、お願いを聞いて欲しければ、それが善行であるかのように思わせなければいけない。 - 悪事にはとにかく抵抗する。勝算がなさそうなときでも、抵抗することはつねに価値がある。
人間の本質がどこにあるのか?非常に勉強になる1冊でした。
気になる人は、是非読んでみてください。